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用語集

性同一性障害

性同一性障害(せいどういつせいしょうがい、Gender Identity Disorder, GID)とは、『生物学的性別(sex)と性の自己意識(gender identity、性自認)とが一致しないために、自らの生物学的性別に持続的な違和感を持ち、反対の性を求め、時には生物学的性別を己れの性の自己意識に近づけるために性の適合を望むことさえある状態』をいう医学的な疾患名。

概して、簡潔に「心と身体の性が一致しない状態」などのように説明されることも多い。この場合の心とは、性指向は関係なく性自認のみを指すものであるが、しばしば混同を招くため留意が必要である。

概念

定義
日本の性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律では、同法における「性同一性障害者」の定義を、『生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。』としている。

日本における性同一性障害の診断と治療の指針である日本精神神経学会「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン (第3版)」において、『性同一性障害は精神病者ではない』とある。

性同一性
性同一性(性の同一性、性別のアイデンティティー)とは、医学界における「gender identity」への伝統的な訳語であり、「自己の性に対する恒久的な意識」という意味をもつ。

人々のうち大多数の者の性同一性は、生物学的性別と一致する。身体が男性で心は男性、身体が女性で心は女性である。人々のうち性同一性障害を抱える者の性同一性は、生物学的性別と一致しない。身体が男性で心は女性、身体が女性で心は男性である。この「同一」とは、「心の性と身体の性が同一」という意味ではなく、アイデンティティー(同一性)、「環境や時間にかかわらず等しく変わらない、一つの個である性質」という意味においての「同一性」である。

「性同一性」は、他の表現による「性の自己意識」「性の自己認知」「ジェンダー・アイデンティティ」「自己の性意識」「心の性」「性自認」とほぼ同義である[5][6]。このうちの「心の性」や、また「気持ちは男性・女性」との表現は一般によく使われるが、「心」「気持ち」という語は意味内容が極めて広いため、他の概念をも包含して混同を生じやすく、また「性同一性障害は気持ちや精神の問題」などの誤解を生むおそれもある。ただ、わかりやすさや言いやすさを優先して便宜上「心は男性」「気持ちは女性」などの表現は広く用いられている。

性同一性の概念は、性分化疾患(生殖器や性染色体などの身体的性別が非定型的な状態)の事例を解釈するため導入されたことに始まる[7]。人は得てして、身体が男性であれば男性、女性であれば女性、という固定的な観念をもつ。しかし、では身体や染色体の性が生まれつき曖昧で、明確に性の判定ができない性分化疾患はどう考え得るか。たとえ性分化疾患の当事者でも、男性もしくは女性としての、どちらかの確かなアイデンティティーがあり、本人の自己意識も確かめずに周りの他者がその人間の性別を恣意に決定することはできない。現に、性分化疾患を患って出生した乳児が、その場の医師によって恣意的に性別を決められ、乳児期以後に性別のアイデンティティーとの不一致によって生涯苦しむ多くの実例があった。これらの事例により、「身体の性」と「心の性」はそれぞれ別個であり、ひとえに「身体」が人の性別を決定づける根拠とはならないことが明らかとなった。

性同一性障害の当事者は、(MtFに対して)「本当は男性」「実は男性」等といった言われ方に対して嫌忌することが多い。性同一性障害を抱える者は、もし生来から自分の同一性と同じ性別の身体で生まれてさえいれば、何ら違和感を持つこともなく普通にその性としての人生を過ごしてきたはずであり、性別のアイデンティティーが“途中で変わった”わけではない。当人自身にとっての「本当の性別」とは、自身が確信している恒久的で不変なアイデンティティーによる性別である。MtFにとっての「本当の性別」は女性であり、FtMにとっての「本当の性別」は男性である。

性同一性がどのように決定されるかは不明であるが、胎児期においてすでに形成される先天的なものとみられており、出生後の幼児期において社会的、文化的に形作られる後天的なものではないとされている。

分類

医療者において、性同一性障害を大まかに「Primary(一次性)」と「Secondary(二次性)」とに分類することがある。

一次性の場合、小児期または青年期前期に発症し、青年期後期または成人期に受診する。身体的性別とは反対の性自認を確固たるものとして持っていることが多い。二次性の場合、発症はやや遅く、壮年期や、老年期に近くなることもある。当初は症状が異性装として現れることが多いとも言われる。性自認が確固としたものでなく揺れていることもある。

FtMは比較的均質であると言われ、一次性に属するケースが多い。MtFでは症状がより多様であり、二次性も多く見られる。

日本では「中核群」「周辺群」という分類をする医療者もいるが、これもほぼ同様のものであると考えられている。

一部の医療者は、中核群・周辺群を、自性器嫌悪が激しく性別適合手術を強く望むグループと、自認する性の服装・文化的生活・第二次性徴の除去・自己の自認する性の第二次性徴の発露程度までで満足するグループとの分別に、この対概念を用いている。

これらの分類は症例を検討する際にはある程度有用であるとみなされ、多くの論文で言及されている。一次性と二次性は症状が似ているだけで本質的に異なる疾患なのではないかと考える者もいるが、一方では、症状が表面化した時期が異なるだけで本質的には同じであると考える者もいる。

当事者のなかには、このような分類を適切でないと考える者もいる。過去に、医療者が治療の対象を一次性の中の極めて典型的な症例のみに限定しようとしたことがあるという事情や、それを背景として一次性の当事者の一部が二次性の当事者に対して差別的であったこと、一次・二次という表現が質的相違を示唆するが現に観察されているのは発症が早期か中・後期かという時間的差異でしかないので不適切である(二次性の患者でも性別適合手術まで求め性自認も確固としている者も少なくない)、というようなことが影響している。

原因

原因は解明されておらず、いくつかの説があげられているが、性同一性障害に関わる医師や当事者の間では、現在『身体的性別とは反対の性別への脳の性分化』が主たる原因と考えられている。男女の脳の差が明らかになるにつれ、この生物学的な要因を根拠づけるいくつかの報告がある。

死後の脳の解剖から、性同一性障害を持つ者と持たない者との比較において脳内の特定部位の形状の差異が見られた例は、以前から複数報告されていた。例えば、人間の性行動に関わりの深い分界条床核は、男性のものは女性のものよりも有意に大きいが、6名のMtFの脳を死後に解剖した結果、分界条床核の大きさが女性とほぼ同じであった。

男性ホルモンに関わるアロマテーゼ遺伝子、アンドロゲン受容体遺伝子、エストロゲン遺伝子の繰り返し塩基配列の長さを調べた結果、MtFではこれが長い傾向を示した。これは、男性ホルモンの働きが弱い傾向であることを示している。

高分解能MRIによる生体研究により、生きている状態での脳の研究が進み、その中でMtFおよびFtMに対する性ホルモン投与前・投与後の脳容積の変化・可塑性などが確認されている。

症状

自身の生物学的性別に対する嫌悪や忌避
性自認と反する生物学的性別を持っていることに違和感、嫌悪感を持つ。間違った性別の身体で生まれたと確信する。陰茎や精巣、月経や乳房に嫌悪を抱いたり、取り除くことを願望する。

生物学的性別とは反対の性への持続的な同一感
生物学的性別と反対の性、自身の性自認と一致する性への、強く持続的な一体感、同一感。

生物学的性別とは反対の性役割
日常生活や社会においても、生物学的性別とは反対の性役割をおこなう。

・生来から常に身体的性別としての扱いや役割を求められる環境であったため、その身体的性別に応じた男性性または女性性の一部を身につけている場合がある。
・より社会へ適応するため、あるいは違和感や嫌悪感から逃れるために性自認を抑え込み、身体的性別に応じた過剰な男性性または女性性の行動様式を取ろうとする場合もある。
・自身が反対の性の容貌や外性器を持っているという確然たる事実や、当然のように身体的性別で扱われる環境にあって、姿形の見えない性自認はそれだけでは不安定であるため、性自認に基づく男性性または女性性の行動様式を過剰に取ろうとする場合もある。
・性自認に基づく性別の実生活経験が無かった故に、性別移行の始めは不慣れであったり不自然であったりする場合がある。
・性自認に揺らぎがある場合もある。当初は本人自身も同性愛と混同したり、異性装と認識してその後に自身の性自認が明瞭となることもある。

診断

日本における性同一性障害への医療的アプローチの指針である、日本精神神経学会の「診断と治療のガイドライン」によれば、性同一性障害の診断はおよそ次のようにおこなわれる。

1.生活歴の聴取
2.性別違和の実態を明らかする。
自らの性別に対する継続的な違和感・不快感
反対の性に対する強く持続的な一体感
反対の性役割を求める
3.身体的性別の判定
染色体、ホルモン、内性器、外性器の診察・検査
4.除外診断
統合失調症などの精神障害によって、本来の性自認を否認したり、性別適合手術を求めたりするものではないこと。
文化的社会的理由による性役割の忌避や、もっぱら職業的利得を得るために反対の性別を求めるものではないこと。
5.診断の確定
以上の点を総合して、身体的性別と性自認が一致しないことが明らかであれば、これを「性同一性障害」と診断する。
性分化疾患、性染色体異常などが認められるケースであっても、身体的性別と性自認が一致していない場合、これらを広く「性同一性障害」の一部として認める。
性同一性障害に十分な理解をもつ精神科医が診断にあたることが望ましい。2人の精神科医が一致して「性同一性障害」と診断することで診断は確定する。2人の精神科医の意見が一致しない場合は、さらに経験豊富な精神科医の診察結果を受けて改めて検討する。

治療

日本におけるガイドラインでは、社会への適応のサポートを中心とする精神科領域の治療と、身体的特徴を性自認と適合する性別へ近づけるための身体的治療(ホルモン療法、乳房切除、性別適合手術)で構成される。性同一性障害に対する診断と治療への理解と関心、充分な知識と経験を持った医師らによる医療チーム(診療科はおもに精神科、形成外科、泌尿器科、産婦人科など)が診断と治療をおこなう。

身体的治療は、精神科領域の治療の後も性の不一致による苦悩が続き、本人自らが身体的治療を希望する場合において、医療者による適応の判定を経て、本人の自己責任と自己決定のもとにおこなわれる。身体的治療への移行は、精神科領域の治療と性同一性障害の診断を省くことはできない。

なお、性同一性障害に対し、「心のほうを身体の性に一致させる」という治療は、以下の経験的、現実的、倫理的、国際人権法上の理由によりおこなわれない。

性同一性障害の典型例では、過去の治療において成功した例がなく、性自認の変更は極めて困難だと判明している。性同一性障害は生物学的な要因が推測され、そのような治療は不可能と考えられている。
性同一性障害者自身は性自認の変更を望まないことが多いので、治療の継続が困難である。
性自認は人格の基礎の多くを占めており、人に対する人格の否定につながる。

精神科領域の治療

精神科領域の治療としては、当事者のQOL(生活の質)の向上を目的として次のようなことを行う。

非寛容によりもたらされがちな自己評価の低さを改善させる。
性自認やそれに基づく自己同一性を再確認させ、「自分は何者であるか」を明確にさせる。
社会生活上に生じうる様々な困難を想定し、その対処法を検討させる。
実生活経験(リアルライフ・エクスペリエンス、real life experience, RLE)を通じて、それに伴う困難も体験させた上で対処法を検討する。
抑うつなどの精神症状を伴っている場合には、その治療を優先して行なう。
最終的に、今後どのような治療を希望するかを冷静に決定させる。
これらの作業は性同一性障害かどうかの診断と重なる部分もあるので、平行して行われることも多い。

身体的治療

身体的治療にはホルモン療法、乳房切除、性別適合手術がある。

ホルモン療法

当事者の身体的性別とは反対の性ホルモンを投与することで、身体的特徴を性自認と適合する性に近づける。希望する性別での社会生活を容易にするとともに、性の不一致による苦悩を減らす効果が認められている。

性ホルモンの投与によって、身体的変化のほか、副作用をともない、また身体的変化には不可逆的な変化も起こり得る。ホルモン療法の開始にあたっては、性同一性障害の診断はもちろん、性ホルモンの効果や限界、副作用を充分に理解していることや、新たな生活へ必要充分な検討ができていること、身体の診察や検査、18歳以上であること等のいくつかの条件がある。

MtFに対してはエストロゲン製剤などを、FtMに対してはアンドロゲン製剤を用いる。

投与形態としては注射剤、添付薬、経口剤があるが、日本においては注射剤が一般的である。添付薬に次いで注射剤が副作用が少ないが、長期にわたる注射のために、注射部位(多くは三角筋あるいは大臀筋)の筋肉の萎縮を引き起こすことがある。全ての事例において頻繁にみられる副作用は肝機能障害であり、そのリスクは経口剤が一番高い。

ウィキペディア参照:https://ja.wikipedia.org/

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